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「んっ……ぐぅ」
「苦しそう。大丈夫?」
労るみたいに額へと触れる大きな手。
その心配そうな声とは裏腹に、玲の行動は残酷だ。
『遥人はまず、これを大好きにならなきゃね』
まるで、子供に教えるみたいな笑顔で玲からそう告げられた時、遥人は必死に首を振って拒絶の意志を示したけれど、開口具を嵌められた唇にそれは容赦なく挿し入れられた。
「うん、上手くなってきた」
「……っ、んぅ」
遥人は今――ベッドの上でクッションに凭れ、ズボンだけをくつろげている玲の長い脚の間に這い、開きっぱなしの唇の中にみっちりとペニスを含んでいる。
体中へと巻き付いた縄が身じろぐたびに食い込んで、そこから生まれてくる違和感に臍の辺りがジンジンするが、それがどんな意味を持つのか考えることはできなかった。
「少し馴れてきたようだから、喉の方まで使ってみようか」
さらに、頭上で響く男の声。
玲のものとは明らかに違う、事務的な硬質さを纏っているその声が……今の遥人には心の底から恐ろしい。
「だね、そうしようか。遥人、がんばれ」
まるで他人事のように告げながら、頬を撫でてくる玲が憎くて顔を背けようとするが、それを察知した背後の男が、先程から掴んだままの遥人の頭を押さえつけた。
「ん……ぐぅっ!」
「駄目だよ。ちゃんと言うことを聞かないと」
呆れを含んだ男の声と、口腔内へ広がる苦味に、絶望的な気持ちになる。
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