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先ほど、逃げ出そうとして扉を開けた遥人の前へと現れたのが、背後にいる人物で……呆気なく捕まった挙げ句、仕置きと称して何度も打たれ、恐怖と痛みに竦 んだ体は、あっという間に縄を使ってがんじがらめに戒められた。
『悪いことをしたから、叩かれてるってことを忘れるな』
無茶苦茶な理論を並べ、自分を嬲ったこの男を……遥人は前から知っている。
彼は、玲と遥人のクラスメイトで、名前を堀田忍という。
玲よりも少し体格が良く、切れ長の目は酷薄そうな印象を与えるが、クラス内では頼りにされ、まとめ役になっている。
古くから続く華道家元の後継者で、玲ともよくつるんでいるからきっと友人なのだろう。だが、今の問題はそこではなく、何故彼がここにいるのかという事だ。
「ほら、真面目にやれよ」
「う゛……んぅっ」
遥人の思考を遮るように、後頭部を掴む堀田が徐々に力を込めてきて、口腔を犯す玲のペニスが喉の方まで入ってくる。
さっきからずっと遥人の頭を掴んだ堀田が、それを上下させながら、『ちゃんと覚えろ』と言ってくるけれど、実際それどころではなかった。
――くるし……くるしいっ。
「顔、真っ赤になってるけど、大丈夫?」
「今のところ問題ないけど、あんまり長いと気を失なうかもしれないな」
「じゃあ、今日はこの辺にしとこうか」
まるで、実験でもしているみたいな二人の会話を耳に入れ、ようやく解放されると思った遥人が僅かに緊張を解いたその瞬間――。
「ん゛っ……ぐ、ううっ!」
これまで全く動く気配の無かった玲が、遥人の口へといきなり腰を打ち付けてきた。
「終わると思った? 甘いよ」
「うっ、う゛ぅ……ん!」
逃げようにも頭は堀田に固定されてしまっているし、腕は背後で一纏めに縛られてしまっている。
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