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――けど、これで……。
ようやく悪夢が過ぎ去ったのだと思った遥人は、意識を闇に落とそうとする。この空間から逃げる方法がそれ以外に見つからなかった。
だが、現実はそんなに甘くはないようで――。
「まだだよ、遥人」
「あっ……くぅっ」
“これでようやく逃げられる”と、思った遥人が安堵の息を漏らした刹那、これまで散々与えられてきた苦しみではない感覚が……じわじわ遥人の下肢を包み込み、体が勝手にピクピクと跳ねる。
「忍、そっちはいいから口の外して」
「はいはい、全く、手の掛かるお坊ちゃんだ」
遥人の体はすでに崩れ落ち、シーツへと沈み込んでいたが、ペニスを掴む堀田の指は未だ解かれていなかった。
口淫をさせられていた間、堀田によって扱かれたそこは、遥人の意志とは関係なしに僅かな硬度を持っていて……それを離せと玲が命じていることはすぐに理解する。
なぜならば、堀田が解放したそこを、今度は玲が掴んだからだ。
「ふっ……んぅっ」
「硬くなってる。気持ちいいの?」
仰向けにされた遥人がゆっくり声の方へと視線を向ければ、割り開かれた脚の間に入り込む玲の姿が見える。
「……っ!」
しかも、上目遣いでこちらを見ながら淫靡な笑みを口元に浮かべ、遥人のペニスにキスをしたから、信じられない出来事に……大きく瞳を見開いた。
「うっ……んぅっ」
同時に、頭の上へと回った堀田が遥人の上半身を起こし、嵌められている開口具を馴れた手つきでカチャリと外す。
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