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第二章

「遥人、大丈夫?」 四時間目が終わった時点で既に遥人は限界だった。 だから机へと伏せ、浅い呼吸を繰り返していたのだが、そんな状態と知っているくせに、声をかけて来るものだから、遥人は内心泣き叫びたい衝動でいっぱいになる。 「……いじょうぶです」 答えなければ後で酷い目にあわされることを知っているから、ノロノロと顔を上げた遥人が、なんとか返事を口に乗せると、「でも、熱がありそうだね」眉尻を僅かに下げた玲が、掌を額へあててきた。 「ほら熱い。風邪が治ってないのに、無理して来るから……保健室で休んだ方がいい」 「そうだよ御園、そんな状態で授業なんかまともに聞けないだろ? 付き添ってあげるから」 心配そうに告げてくる玲の肩越しに、堀田の姿が見えた途端、情けないほどに体が震えて声も出せなくなってしまう。

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