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「俺? なんだろ」 放送に気付き動きを止めた玲をチラリと横目で見ながら、“もしかしたら、解放されるかもしれない”などと甘い希望を抱きかけたが、背後からの声によってそれはすぐに露と消えた。 「御園君は俺が連れてくから、お前は校長室に行ってこい」 恐る恐る背後を見やれば堀田の姿がそこにある。その姿を見た途端、遥人の動悸はさらに高まり、膝から崩れ落ちてしまいそうになるけれど、「抱っこしようか?」と小声で言われ、なんとか自分の足で立った。 「じゃ、終わったら行くから」 廊下まで連れ出された所で、手をヒラヒラと振りながら玲が言うけれど……遥人は返事もできないままに、俯き体を震わせている。それほどに、堀田という人物は、遥人にとって鬼門とも呼べる存在になっていた。 それから……堀田に体を支えられ、保健室まで行くと思ったら、階段の下にある倉庫へと連れ込まれ、強い力で体をドアへと押しつけられる。 「……っ!」 「そんなにビクつくなよ」 「やめて……ください」 不機嫌そうに告げてくる堀田に、絞り出すように懇願すると、胸を押してくる圧力がほんの少しだけ弱まった。先日までは穏やかで、落ち着きのある人物なのだと思っていたが、ここ数日で彼のイメージは180度変わっている。

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