50 / 338

4

「見せてみろ。痛いんだろ?」 「いっ!」 制服の上から股間をギュッと握られて、痛みに声を上げそうになるが、どうにか堪えて歯を食いしばった。 行事で使う道具などが仕舞われているこの場所に、昼休みの今人が来ることはまずないだろうが、絶対に来ない保証はない。 「さっさとしないと痛い目見るって分かってるだろ?」 感情を持たない低い声。いつも、彼はまるで仕事のように淡々と遥人を弄ぶ。そうされることに馴れてしまえれば楽なのだろうと思うけど、心は支配されたくないから、力に屈服する瞬間はギュッと胸が締め付けられた。 「……」 意を決し、俯いたまま制服のズボンを床に落とすと、下着は履かせて貰えてないから下半身が露わになる。少しでも隠したいと考え、シャツの裾を引こうとするが、「手は横」の一言だけで、遥人の体は固まった。 「さすがに萎えたみたいだな」 垂れ下がった遥人のペニスをのぞき込みながら、堀田が告げてくるけれど、恥ずかしいと思う気持ちも芽生えない。それよりも、恐怖からくる極度の緊張に、脚がガクガクと震えだし、まるで貧血を起こしたみたいに体がフラフラ揺れ始めた。 「まだ、見られる快感よりも恐怖心のが強いみたいだな」 「あっ……」 遠くなっていく堀田の声に、そんなの当たり前だと思う。こんな状況で、快感を覚える筈が無い。 「さっきまではパンパンに腫れて、苦しかったのにな」 「……くぅ」 言いながら、遥人のペニスに取り付けられた透明なプラスチックケースを、堀田が指で強く弾き、そこから生まれた振動が……膀胱まで響いてきたから、苦悶の声が口から漏れた。

ともだちにシェアしよう!