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「……どうして」
「どうしてって……それを聞いちゃう?」
絞り出した遥人の声は、掠れて細いものだったけれどきちんと聞こえていたらしく、喉を鳴らして笑った玲が顎先を指で持ち上げてくる。
広く柔らかなベッドの上、一糸纏わぬ姿で四肢を拘束されてしまった遥人は、諦観に似た感情を抱いて薄い唇を噛みしめた。貞操帯と後孔の玩具が外されたのは救いだが、それを素直に喜べるような状況では決してない。
「遥人、俺は怒ってるんだ」
無理やり視線を玲に合わされ、なんの事かと問いたくなるが、それを彼にぶつけるだけの気力は残っていなかった。
「分からないって顔だね。遥人はアイツ……大雅に助けを求めようとした。それから、奴に身体を見せた」
淡々としていながらも、冷気を纏った玲の声。なぜ、そんな事を言われなければならないのか?
うっすらとだが、助けを求めた記憶はある。だが、身体を晒した記憶はなかった。
――どうして、こんなに……。
玲にとっては御園と近付く手段なのかもしれないが、遥人にとっては辛すぎる。
自分なんかが役に立つかは正直怪しい話だけれど、血の繋がらない祖父にしてみれば、邪魔な遥人を玩具代わりに宛がうことで、将来有望な玲を手懐けられるなら安いものだろう。
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