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「……ッ!」
敏感な尖りへ歯を立てられて、声にならない悲鳴が上がる。
鋭い愉悦に怯えた遥人は、無我夢中で大雅の頭を引き剥がそうとするけれど、今度は突起をベロリと舐められ体の力が抜けてしまう。
「や……あ、あ……」
同時にアナルを穿つペニスは、緩やかだけれど的確に……遥人が快楽を覚える部分を潰すように突いてくる。
――きもち……いい。
体を二つに折り曲げられた体勢は楽なものではないが、注ぎ込まれる快感はまるで蜜のように甘かった。
「いっ、あぁっ!」
「どうして欲しい?」
訳の分からなくなった遥人は無意識に腰を振りはじめ、それに気付いた大雅が胸から口を離して尋ねてくる。
「……も……いく、いくから……」
「だから?」
「おく……おなかの、おく……突いて、くださ……」
「……上出来だ」
「ア……アッ……アウゥッ!」
自分が何を強請っているのかも曖昧になっていたけれど、必死に言葉を紡いだ途端、深い場所にある快楽のツボを数回激しく穿たれて、目も眩むような愉悦の波に華奢な体が何度も跳ねた。
「っ……いく、いくっ」
「好きなだけイけ」
いつものようにせき止められたり打たれたりすることもなく、促すようにペニスを扱かれ遥人はすぐに絶頂を極める。
「濃いな。自分でシてなかったのか?」
ハアハアと荒く息を繰り返し射精の余韻に浸っていると、頭上からそんな声が聞こえて、僅かに理性が戻ってきた。
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