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「……あ、俺……ごめんなさい」
歪んだ視界の先に示された彼の掌を汚しているのが、自分の放った白濁と気づき遥人は謝罪を繰り返す。
「そんなことはいい」
すると、どこか優しげに響く声音でそう告げてきた大雅はそれを、遥人の臍の辺りへと塗りつけ、ゆっくりペニスを引き抜いた。
「ああっ……ん」
たったそれだけの刺激なのに、甘えたような声が出る。
恥ずかしいなどという感情は既に持てなくなっていたけれど、これで終わりだと思った遥人は、ベッドの上から降りようとした。
これまでにしたセックスは、限界まで追いつめられて最後には意識を絶っていたから、こんな時、どうすればいいか見当もつかなかったのだ。
「待て、どこへ行く」
俯せに体を返し、這うようにして進み始めた遥人には、大雅が放った制止の声も届かない。
なにせ、今置かれている状況すらもうまく飲み込めていないのだ。
「あ……あ」
「しかたないな……」
ため息混じりに呟く声が聞こえたような気がしたが、構わず前へ進もうとすると、強い力で腰を掴まれズルズルと背後へ引っ張られる。そして――。
「あ、やっ……やめてください、まだ……あぁっ!」
後孔へと侵入してくる彼のペニスに怯えた遥人は、達したばかりで辛いのだ……と、途切れ途切れに哀願するが、そんな訴えは完全に無視され、今までよりも深い場所まで一気にペニスで穿たれた。
「ひっ……あ、ああっ!」
「悪いな。俺はまだイってない」
容赦なく腰を打ち付けながらも、大雅は呼吸を乱さない。一方の遥人といえば、彼が紡いだ謝罪の言葉もほとんど耳には入ってこず、縋るようにシーツを掴んで、腹の中から指先までもが痺れるような刺激に震え、いつ終わるのかも予想できない快楽の波に悶え続けた。
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