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「ひっ……あ、あぁっ!」
すると、痛みを感じているはずなのに、達したばかりで萎えていたはずの彼のペニスが掌の中で硬度を持った。
「痛いのも気持ちいいんだ」
「……き、好き……きもちいい……れい、かゆい、あつい……たすけて……」
いつもの彼なら決して出さない舌っ足らずな甘えた声。
きっと自覚はないだろうが、彼は手酷く扱ってやると、感度が上がり敏感になる。
「イイ子。素直になれた遥人には、ご褒美あげないとね」
不自由な体勢ながらも腰を拙く上下させ、可愛く強請る遥人の姿に玲は口角を僅かに上げた。
今使っている催淫剤は、合法の成分のみを使用してはいるものの、その効き目はドラッグなどと、さしたる変わりは無いと忍から聞いている。
中毒性はほとんどないが、精神的にも肉体的にも負担がかかる薬だから、使い過ぎるなと念を押された。
「けど……そんなのムリ」
「あ、ああっ……ん」
低い声音で呟いた玲は、遥人のズボンを引きずりおろし、背後に回って拘束を解くと、崩れ落ちそうになった体を片方の腕でしっかり支える。
「れい、れい……」
「ん、分かってる。ちゃんとシてあげるから、ちょっと我慢して」
「あ……あぁ」
力の入らぬ華奢な体を横抱きにして立ち上がり、至近距離から顔をのぞき込めば、欲に蕩けたその表情に、薬侵けにして自分なしではいられないようにしたくなった。
先ほどまでの思考と矛盾が生じているのは理解しているが、この一週間、らしくもない我慢をしてやったのだ。
正確に言えば大雅に連れていかれた期間も入っているから二週間近くになる。
だから、忍がうるさく小言を言おうが、週末くらいは思い通りにしたって構わないはずだ。
なにせ、遥人は恋人なのだから。
恋人という関係については遥人の同意を得ていないが、そもそも玲には遥人の気持ちをくみ取るという思考がなかった。
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