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 *** 「今回はどうだった?」  中間テストの最終日、玲と一緒に部屋へと戻り、いつものようにダイニングチェアーへ自分の鞄を置いていると、先にリビングへ入った彼がソファーに腰を掛け聞いてきた。 「……分かりません」  自己採点はしてみたけれど、いつもよりも手応えが無い。だから遥人がそう答えると、興味なさげに「そう」と答える声がして、それから「おいで」と続けられたから遥人はゆっくり側へ近付いた。 「脱いで」 「……」  突然のことに息を飲み込むと、優雅に脚を組んだ玲が、「出来ないなら、やってやるけど」と口端を上げて告げてくる。  彼が纏ったほんの僅かな苛立ちを、肌で感じることができるのは、自分自身の意志では無いにしろ、長い時間、体を合わせているからだろうか?  ――なにか……しただろうか?  ピリピリとしたその雰囲気に、遥人は自問するけれど……考えることは無駄な行為だと、すぐに諦観の幕を降ろした。  なにせ、何が彼の逆鱗に触れるかなんて到底分からない。 「下もだ」  震える体を必死に動かし制服の上衣を全て脱ぐと、そんな声が聞こえてきたから、遥人は黙々と下衣も脱ぎ去った。  恥ずかしくない訳ではないが、時間をかけても答えは同じだ。ならば、少しでも早く事が済む方が幾らか体も楽だろう。

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