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「やっ……あうっ!」  そこから……立て続けに二度三度、尻を何かで打ち据えられ、余りの痛みに悲鳴を抑える事も出来ずに遥人は叫ぶ。  これまでにも躾と称して体を打たれた事があったが、ここまで痛みを伴うような行為を受けたことは無かった。 「やめてっ、やめてくださいっ!」  無我夢中で体を捩り、必死に制止を求めるけれど、答えてくれる声もないまま尻を連続で殴打され……痛みに悶える遥人の目からは涙がボロボロ零れ始める。  その涙が目隠しの布をぐっしょり湿らせ、限界を超えた遥人の体がピクピク細かく痙攣するまで、執拗なまでの玲の仕打ちは容赦なく臀部を襲い続けた。 「や……あぁっ!」 「真っ赤。猿みたい」  どれくらい時が過ぎただろうか?ようやく動きを止めた玲が、ぐったりとした遥人の尻へと掌を這わせ、そんな言葉を投げかけてくる。  今、彼が手にしている道具は、SMプレイで使用するためのパドルと呼ばれる革製のもので、50センチほどの長さをもった殴打用の道具なのだが、そんなことは知りようもないから、遥人は次の衝撃に備え必死に体を強ばらせた。

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