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「……っ!」
「好きだよ」
囁かれる『好き』の言葉に、体が熱を帯びてしまうのは、条件反射によるものだ。
そうなるよう、これまで散々教え込まれてきたからなのだが、遥人にはその意識が無いから、自分の体に違和感を覚えた。
「う……うぅっ」
間髪入れずに体を返され、テーブルの上で仰向けとなるが、めまぐるしい変化に一瞬、天地が分からなくなってしまう。
「口、開けて」
「あっ……んゥっ」
その意味を理解するよりも早く、喘ぐ唇を塞がれた。
体の下敷きになってしまった腕が軋むように痛むけど、逃れようにも上から体を抑え込まれてしまっている。
「んっ……ん」
そんな滅茶苦茶な状況なのに、舌をチュクチュクと吸い上げられれば、ピリピリとした疼きが背筋を這い上がり――。
――俺……変だ。
その感覚が何かということは、遥人自身より体の方が知っている。
「ふぅ……うぅ」
ピクピクと跳ねる薄い胸へと玲の長い指が這い、それが乳輪を掠めたところで、思わずいきんだ遥人のアナルからボトルがズルリと抜け落ちた。
「……ッ!」
「勃ってきた。気持ちいい?」
くちづけを解いた玲が今度は耳をザラリと舐めてくる。
「ん……くぅ……」
気持ちが悪いだけのはずなのに、それだけではない感覚が……どういうわけか臍の奥からジワリジワリとわきだしてきた。
――どう……して?
「ひっ……や、そこ……さわらないで」
「どうして? こんなに悦んでるのに」
意思に反して緩く勃ちあがったぺニスの先を、玲が指先でつついてくる。
「あっ、アアッ!」
たったそれだけで強い愉悦が体中へと駆け巡り、不自由な体勢ながらも腰がガクガクと上下に揺れた。
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