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 現在27歳の唯人は幼少時より神童と呼ばれ、高校を卒業後は海外でも最高ランクの大学へ……そこを卒業してから帰国した彼は国内最高学府へ入学する。  しかし、その大学を二年余りで退学すると、米国に移り外資系の企業へと就職をした。  彼が凄いのはそこからだ。  たった数年で傾きかけていた企業の利益を倍増させ。つい最近、20代にして日本支社の取締役社長へと就任したのだ。  いずれ吸収合併するために、御園が裏で資金を出したという噂も囁かれているが、遥人にとっては遠すぎて……ニュースに映る姿を見ても、まるで他人事だった。 「会ってみたいと思わないのか? 血の繋がった兄弟に」  唯人について考えていると、遥人の隣に座った堀田が耳の近くで告げてくる。 「……分かりません」  本当に分からないから遥人はそれをそのまま言葉にした。  すると、「そうか」と答えた堀田の指が、遥人の顎を持ち上げる。 「……っ」 「見れば見るほど似てないな」  確かに、その通りだと遥人は思う。共通点があるとすれば、名前が一文字同じくらいで、外見は全く似ていない。  兄は、優秀なだけではなく、見た目もかなりの美丈夫だ。  おかげといえばいいのだろうか?  遥人が御園を名乗っていても、誰も弟と気付かない。

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