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「で、ホントに遥人が誘ったの?」
至近距離にある端正な顔。
背中へ回された長い腕。
口端に笑みを浮かべてはいるが、瞳は全く笑っておらず、これから受けるであろう仕打ちを、考えただけで体が震えた。
「どうした? 言わなきゃ何も分からない」
優しげな声でそう言いながら、促すように背中を撫でさする掌に……こういう場合どうすればいいか分からなくなって目眩を覚えた。
今、遥人はベッドの上で玲に抱きしめられている。
堀田に押し倒された場面を、玲に見られてしまった時、明らかな怒気を感じた遥人は生きた心地がしなかった。
さらに、よりにもよって、「ソノが誘った」と堀田が玲へと告げたものだから、反論しようと口を開いたが、声を出そうと試みるたびにキスで唇を塞がれてしまい――。
長いキスを終えた時、遥人は息も絶え絶えだったが、必死に酸素を取り込む間に堀田へ帰宅を命じた玲は、「寝よう」と遥人の細い手首を掴んでベッドへ移動した。
それから、シャワーを浴びると一言告げ、出て行った玲を待っている間、遥人はこれから受けるであろう折檻から逃れる術を探したが、自分が何を言ったところで、信じて貰える訳がないという諦めに辿り着いただけ。
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