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「なあ、ホントにつき合ってないの?」  だが、友人だと思えるくらい親しい関係になったのは、今、ファミレスで一緒に課題をしている真鍋一人だけだ。 「何度も言わせないでよ。本当にルームシェアしてるだけなんだ」  もう何度目になるか分からない質問に苦笑していると、「つまんないなぁ」答えた真鍋が少し唇を尖らせる。  面白がらせる義理もないから、「残念ながら」と言葉を返せば、「言うようになったな」と、感心したように言った真鍋がアイスコーヒーを口へと運んだ。  実は大雅とは一度だけ、体を重ねた経験がある。それがどんな意味を持つかは今も分からずにいるけれど、平穏な暮らしを続けたいから心を蓋で覆っていた。 「あ、ごめん、そろそろ帰らないと」  課題も半ばを超えた辺りで、スマートフォンが点滅し、メッセージを確認すると大雅からのものだった。 「今日は飯食べるって?」 「うん」 「じゃあしょうがないな。俺はもう少しやっていくから、このまま帰っていいよ」  含み笑いを浮かべる真鍋に「違う」と言い訳をしたくなるけれど、このやり取りも何度もしていて食傷気味になっていたから、遥人は自分の飲食代をテーブルへ置いて帰路につく。

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