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白鳥からの話によると、冬休み前に起こった事件は、玲を自分から引き離すために兄が糸を引いたらしい。
"事件"というのは、玲の父親が未成年に金銭を支払い、猥褻行為をしたとマスコミが一斉に報じたもので、これにより……次期閣僚との呼び声も高い議員だった父親は、していないと弁明するも結局辞職を余儀なくさた。
そして、マスコミから追われる立場になってしまった玲の父親は、郊外の屋敷へと完全に引きこもってしまった。
これに伴い息子の玲も、学校やマンション近くでマスコミからの待ち伏せを受けるようになり……結果、状況を重く受け止めた彼の父親が、卒業間近で出席日数も足りていた玲を、自宅へと呼び寄せたことから、遥人は晴れて自由の身になり、受験に専念することができた。
――そう、あれで……全部、終わったはず。
『宮本君については、老舗の料亭の息子だという情報しか無かった。君を色々と助けてくれた存在だと聞いていたから、ルームシェアをしていたほうが安全だという結論を出していたんだけど……』
白鳥の話す内容に、遥人はコクリと唾を飲み込む。
大雅は自分をヤクザの息子と言っていた。老舗の料亭などとは無縁の職業では無いだろうか?
――それに……。
玲と自分の関係は……祖父を除いたら当事者だけしか知らない話だ。聞いた話と彼は言うけれど、どのような手段でそこまで調べることができたのだろうか?
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