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夢のどこまでが現実なのかは分からない。あるいは全てが現実なのかもしれないが、意識を断っていたはずの彼が、こちらを見つめていたというのは、どうにもおかしいような気がした。
だから、もしかしたらそこの部分は、罪悪感が見せた本当の夢なのかもしれない。
『大丈夫、怪我はしたけど、ちゃんと元通りに治るって言ってたから、だから……』
悲痛ともとれる母の言葉を聞きながら、幼い遥人は、自分はとんでもないことをしたのだと悟った。
いくら母親が、自分のせいではないと言っても、柘榴の木に興味を持ってしまったのは遥人自身だ。
――俺は……忘れたかったんだ。
『忘れなさい』と何度も言われ、忘れてしまいたいと思った。そして、強く願ったからなのか?遥人の願いは叶えられた……筈だった。
――どうして、いまさら……。
こんな夢を見るのだろう?それは遥人にも分からないけれど、さまざまなことが起こりすぎて、思考がかなり混乱している。
――目、あけたくない。
意識は既に戻っていたが、瞼を開くのが怖かった。体中に感じる痛みが、昨晩自分に降りかかった出来事が、夢ではないと訴えかける。
恐る恐る腕を動かすと、首に違和感は感じないから、拘束は解いて貰えたらしいと遥人は小さく息を吐いた。
「ソノ、起きてる?」
すると、突如頭上から堀田の声が響いてくる。
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