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「遥人、気持ちいい?」 「れい……れい、でる、でちゃうから……」  考えに深く耽っていると、遥人の太腿が震えだしたから、引っ張っていた乳首を離して下腹辺りを掌で圧せば、華奢な体が動きを止めて「あぁ」と悲痛な声がする。 「ああ、やっぱりしたかったんだ。気持ちよかった?」 「うっ……うぅっ、ごめ……なさ……」  ジワリと自身の下肢を濡らした生温(なまあたたか)い感触に、喉を鳴らして玲が笑うと、虚ろに開いた遥人の瞳から新たな涙が溢れ出た。  *** 「やりすぎでは?」  バスルームから出てきた玲が広いリビングのソファーへ座ると、目の前へと立った春日が、一礼してから短く苦言を呈してくる。  ベッドルームには彼が頼んだ清掃業者が入っているようで、廊下の方から人が行き来する小さな足音が聞こえていた。 「いくら御園から許可が出てるとはいえ……」 「春日は忍と似てるよな。大丈夫、遥人も悦んでるし」   「しかし……」  さらに何かを言おうとしている春日に向かって片手を上げ、腕の中でぐったりしている青白い顔へ視線を落とす。 「起こしたくない。話はあとにしてくれない?」  吸いすぎて赤く色づいた口へ指で触れながらそう命じると、息を飲むような気配はしたけれど、春日はすぐに立ち去った。

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