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 電源は入っておらす、なんの映像も映し出されてはいないけれど、ソファーへと座る玲に背後から抱かれている自分の姿を、黒く光る無機質なそれは明瞭に反射していた。 「ここ、パクパクして気持ちよさそう」 「うっ、うぅっ!」  身につけているローブの前は全てはだけ、両脚を閉じようとしても何かが邪魔して動かせない。しかも、ペニスの先が焼け付くように熱かった。 「あ……やめてっ!」  止めてと頼んで止めてもらえた試しは一度もなかったが、下半身まで視線を下げた遥人は叫ばずにいられない。 「大丈夫だよ。ほら……」 「やっ……やだ、玲、玲っ!」 「上手に飲み込んでいく」  耳の後ろで囁いた彼は、器用に手先を動かしているが、信じられないものを目にして遥人の瞼は痙攣した。  ――こん……な。  ペニスの先から飛び出している、金色の細い棒状のものはいったい何の道具だろう?  その先端を掴んでいるのは背後から伸びた玲の指で、棒の挿さった尿道口は、まるで違う生き物みたいに開閉を繰り返している。

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