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「見ててあげるから」  唇へ触れた長い指先が口腔内へと入ってきたから、無意識にそれへ舌を絡め、玲の言葉が命じた通りに遥人はリングを僅かに引いた。 「ん……ふぅっ」 「気持ち悦さそう」  意地悪な声で告げてくる玲に、首をゆるゆると横に振るけれど、少し引く度に何とも言えない愉悦がそこからわき上がり、自分自身でも気づかない内に腰が拙く揺れてしまう。 「こんなところも感じるなんて、遥人は変態だな。そんなところも可愛いけど」 「ん……うぅ」  こんなことにも感じてしまう自分の体が忌まわしかった。  だから、無理矢理にでも火照った体を治めようと遥人は考え、リングを一気に抜いてしまおうとするけれど……まるで行動を見透かしたように、遥人の手首を片手で掴んだ玲が口から指を引き抜き、綺麗な顔を近づけてきて――。  ――あれ? なに……か。  いつもなら、条件反射で口づけを受ける遥人だが、混濁しかけた思考のなかで、微かな違和感を覚えてしまった。 「うぅっ……ん」  ――な……に?  繰り返されるキスの合間、それについて考えようとするけれど……引き抜きかけたブジーを再び玲が中へと押し込んだ為、余りの愉悦に遥人の頭は達することで一杯になった。

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