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――わかんない……どうして?
一つ一つボタンを外す長い指先を見下ろしながら、とうとう遥人の眦からは涙が一滴零れ落ちた。
「遥人は嘘つきだ。身体はこんなに悦んでるのに」
ボタンを全て外した玲が、シャツの袷を左右へ開いて告げてくる。胸元へと手のひらが触れ、遥人は身体をビクつかせた。
「ここ、また引っ込んじゃったな」
「んぅっ」
淡い色をした小さな乳輪を指で摘み、ゆるゆると揉んでくるものだから、身体を捩って逃げようとすれば今度は腿を叩かれた。
もともと、丈の長いシャツ一枚しか着ることを許されておらず、前を開かれてしまった今は、ほとんど全裸と変わらないような格好だ。
「ちょっと酷くされたほうが、遥人は感じるんだよな。ほら……」
ペニスの先を指でつつかれ遥人が視線をそちらへ向けると、どういう訳か意志とは裏腹にそこは勃ちあがっていた。
「見られて、打たれて、普通なら……勃たない」
「んぅっ……」
“違うのだ”と言いたいけれど、声は封じられていて、おまけに今の状況は……遥人の意志を見事に裏切ってしまっている。
どうして嫌だと思っているのに、身体は興奮しているのか? 理由が全く分からないから、遥人は酷く混乱した。
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