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 たしかに、縛ってほしいと玲に言ったのは遥人だが、それは……服を与えられないという選択肢とのニ択だけしか示して貰えなかったからだ。  一人で過ごすということならば、間違いなく裸を選んでいたのだが、このマンションには玲や春日が必ずいる。  どちらも嫌だと言ってみたけれど、全く聞いてはもらえなかった。  ――だから、俺は……。 「遥人、脚、ちゃんと開ける?」 「……っ」  鼓膜を揺らす甘い声音に胃がキリキリと痛みだす。玲の言うことを聞かなければ、酷い仕打ちが待っているのは十分に知っているはずなのに、思うように身体が動かず遥人はさらに混乱する。 「ほら」 「んぐぅっ!」  カリの括れを戒めている紐を引かれて仰け反ると、こちらを見下ろす冷めた春日の瞳と視線がぶつかった。 「う……うぅ」 「早くしたほうが身のためです」  抑揚のない春日の声音に恐怖心が煽られる。 脅しにも取れる彼の発言に、遥人が必死に脚を開けば、紐を引く手の力が緩んで陰嚢を緩くもみ込まれた。 「うぅっ!」 「ここも、好きだよな」  少し強めに圧を掛けられ、遥人は何度も頷き返す。そうしなければ、潰れるくらいに強い力で握られることは分かっていた。   「んっ……うぅ」 「ここだけでイケそう。遥人はホント、淫乱だ」  緩急をつけて陰嚢を揉まれ背筋を愉悦が這い上がり、遥人があえかな呻きを漏らすと、なぞるように後孔へと長い指が這わされる。

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