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「れい、でる……だしたい」  うわ言のように喘ぐ唇は吸いすぎたせいで朱く色づき、戒められたペニスの根本を、細い指先で引っかく姿に玲の口元は自然と緩い弧を描く。 「玲様、貴方(あなた)が私より広い視野をお持ちなのは認めます。ただ、今のやりようは、子供じみた独占欲にしか見えません」  理由があって閉じこめるのなら、優しくしろと言いたいのだろう。   「あなたは……幼い頃無くした記憶を取り戻した。だから、以前のような遊びではなく、純粋に彼を手元に置きたい。違いますか?」 「記憶ってなに?」  春日の視線を正面から受け、玲は僅かに眉根を寄せた。  昔から彼は臆することなく正論ばかりを突きつけるけれど、それが役目だと分かっているから、玲は怒りを表に出さない。 「わからないなら結構です。ただ、彼にきちんと経緯を説明してください。彼はあなたの玩具ではない」 「……小言は終わり?」  抑揚を消して尋ねれば……諦めたようにため息を吐いて頷いた彼がドアを開いた。   「ごめん。待たせた」  それを受け、遥人の額へキスを落すと、春日の横を通った玲は浴室へと移動する。  途中、振動によって達した遥人の爪先が軽く痙攣したが、尿道口を埋めているブジーが彼の吐精を許さなかった。

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