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――いく、も……いきたい……。
「うっ……うぅ」
苦しいのに、痛いのに、気持ちが悦くてたまらない。
今だって、絡め取られた自分の舌がチュッと音をたて吸われるだけで、下半身へと熱が渦巻いて愉悦に思考が霞んでしまう。
――こわ……い。
以前から玲は怖かった。だけど、今感じている恐怖はどこか違っていた。
――きもちいい。
彼に触れられれば身体が疼き、縄を使って戒められれば、はしたなく勃起してしまう。
「やぁっ……あうぅっ」
キスの合間に漏れる嬌声は、確かな喜悦を含んでいて……セックスのあと、冷静さを取り戻すたび、こんなに乱れてしまう自分は病気なのではないかと思った。
今、遥人が感じているのは、身体についてはもちろんだが、環境の変化に対する恐怖のほうが実は大きい。
これまでは、玲と一緒に暮らしていても、外の日常と関われた。だけど、今の遥人の世界は狭く、この部屋の外へ出られない。
――こわい……なにが?
肌で感じる恐怖は日に日に強く濃いものになっているのに、考えている暇もないほどに強い快楽を注がれ続け、その正体が何であるかを深く追求できずにいた。
「遥人、これ、抜いてほしい?」
「あ、あ……れい、ぬいて、でる……から」
「自分で入れてって強請ったのに?」
「ちがっ……そんな……アウゥッ!」
漠然とした不安と恐怖に心は悲鳴を上げているのに、ブジーを少し抜かれただけで、頭の中は真っ白になり、射精感に遥人は身体を戦慄かせる。
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