225 / 338

22

「いい子」  耳朶を這う舌の感触と、下肢へ触れてくる大きな掌。  焦らすような指の動きに、たまらなくなった遥人は「はやく」と、甘えた声で解放を強請る。 「あ……あっ……ああっ!」  そして、ようやく紐を解かれた瞬間、遥人の視界は大きく揺らぎ、薄い背中を弓なりに反らせ、待ちわびていた絶頂を迎えた。 「気持ちいい?」 「いい……きもちいい」 「やっぱり遥人は苦しいほうが好きなんだ」 「……すき、すきぃ……」  放心している遥人の性器を撫でながら、玲が淡々と尋ねてくるが、言葉の意味など理解できない。  ただ、彼の言葉に疑問も持たず、遥人は反芻し続けた。  それから……玲の手によって身体を綺麗に洗われているその途中、遥人は意識を一度落としたが、ベッドの上へ寝かされたところで、ぼんやりとだが覚醒する。 「んっ……」  このとき、玲に口移しされた液体は、ほのかに甘く、檸檬と蜂蜜を薄めたような味がした。 「約束しただろ。ずっとそばにいるって」  頬へと触れる冷えた指先。  淡々とした話し声。

ともだちにシェアしよう!