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「いい子」
耳朶を這う舌の感触と、下肢へ触れてくる大きな掌。
焦らすような指の動きに、たまらなくなった遥人は「はやく」と、甘えた声で解放を強請る。
「あ……あっ……ああっ!」
そして、ようやく紐を解かれた瞬間、遥人の視界は大きく揺らぎ、薄い背中を弓なりに反らせ、待ちわびていた絶頂を迎えた。
「気持ちいい?」
「いい……きもちいい」
「やっぱり遥人は苦しいほうが好きなんだ」
「……すき、すきぃ……」
放心している遥人の性器を撫でながら、玲が淡々と尋ねてくるが、言葉の意味など理解できない。
ただ、彼の言葉に疑問も持たず、遥人は反芻し続けた。
それから……玲の手によって身体を綺麗に洗われているその途中、遥人は意識を一度落としたが、ベッドの上へ寝かされたところで、ぼんやりとだが覚醒する。
「んっ……」
このとき、玲に口移しされた液体は、ほのかに甘く、檸檬と蜂蜜を薄めたような味がした。
「約束しただろ。ずっとそばにいるって」
頬へと触れる冷えた指先。
淡々とした話し声。
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