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「まず、今泉玲の大学の特定に時間がかかりました。結果、大学は判明しましたが、現在は休学しており、そこからの情報は得られなかったため、違うルートを模索するうちに時間がかかってしまいました」 「違うルートって?」 「それは、今は言えません」  淡々と、事務的な口調で報告してくる真鍋だが、以前より少し痩せただろうか?  ほぼ半年ぶりの対面だが、顎が幾分シャープになったような印象を大雅は受けた。 「休学ってことは、決まった時間に動く必要がない。普通なら……こんなにリスクのある選択はしないだろうが、逆に考えれば俺たちの動きを監視できる。そう考えたなら合点がいく」 「だな。玲は普通じゃない」  大雅の言葉に頷く忍の口角が綺麗な弧を描く。ようやく玲を探しだせたことで、隠せないほどに気持ちが昂揚しているようだ。 「さて、これを受けて御園唯人はどう動く?」 「まだ報告は上げてません。今、あの方は厳しい立場に置かれている。これ以上、老人との摩擦を生むような事態は、なんとしても避けたいところです。ただ、だからといって御園遥人を見捨てるような真似も出来ない。だから、先に貴方たちに声をかけたんだ」 「お前が隠してること、御園唯人が知ったら怒るだろうな。クビなんてことになってもいいのか?」  意地の悪い忍の問いに真鍋は一瞬目を細めるが、小さく息を吐き出した後、資料を手に取って口を開いた。

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