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『遥人には夢ってある?』
殺風景な白い部屋。全ての窓が磨り硝子だから、外の景色はまるで見えない。
――いつもの部屋だ。
ここは、遥人が玲と暮らすマンションの寝室にあるベッドの上。すぐ傍らにはこちらを見つめる玲の綺麗な顔がある。
いつもと同じ微笑を浮かべる玲の表情に安堵しながら、悪い白昼夢を見ていたのかもしれないなどと考えていると、
『どうした?』
いぶかしむような声が聞こえ、素肌へと長い指先が触れた。
『夢?』
『そう、将来の夢』
――なんだろう?
この時胸へとチリリと芽生えた小さくはない違和感に、遥人は首を傾ける。
このやりとりを彼とするのは、今日が初めてではない気がした。
『夢は……』
それでも、答えなければ機嫌を損ねてしまうから、遥人は返事をしようとする。
以前、同じ質問を受けたとき、自分はなんと答えただろう?
――俺は……俺の夢は……。
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