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「今はゆっくり休んで。誰も君に危害を加えたりしないから」
柔和な笑みを浮かべて告げてくる真鍋の姿を瞳に映し、遥人の心を占める違和感がどんどん大きくなっていく。
――いったい、これは……。
「……玲は?」
どちらがリアルでどちらが夢かをまだはっきりとは判別できず、自然とこぼれた遥人の言葉に、目の前にいる二人の男は困ったような表情を見せた。
「遥人君。もしかしたら記憶が混乱してるのかな?」
白衣の男がそう言いながら、額へと手をあててくる。フレームレスの眼鏡をかけているその男は、柔らかな雰囲気と、小柄で線の細いところが真鍋と少し似ている気がした。
「そうだよな。混乱もするよ。いきなり傷だらけで病院に寝かされてるんだから」
「……傷?」
そう告げられ、遥人は初めて体の方へと視線を下げる。ここまで二人に気を取られ、さらには夢だと思っていたから、自分の体がどうなっているか確かめるだけの余裕がなかった。
「……あっ」
掛けらているシーツを捲って体を見ようとするけれど……左手がうまく動かせなくて、遥人は小さな声を上げる。
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