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 質問をされている間にも、布越しにペニスを嬲られて……こんな状況では言葉の意味さえ正確に分かる訳もない。  ――なに? いったい……なにを? 「答えろ……って言っても無理か」  ビクッビクッと体を震わせ仰け反る遥人の薄い背中を、空いている腕で支えた大雅は、独白のようにそう呟くと、遥人のパジャマのズボンをずり下げ、勃ち上がっている小ぶりなペニスを大きな掌で直に掴んだ。 「ヒッ……やあっ!」  たったそれだけの刺激により、いとも簡単に達してしまった遥人の虚ろな瞳から、とうとう涙が滴となってポロポロと頬を伝いはじめる。 「だいぶ溜めてたな」  抑揚のない大雅の声が、余計に惨めな気持ちを煽り、遥人はここから消えてしまいたい衝動に強く襲われた。 「……ごめんなさい」  自然とこぼれた謝罪の言葉に、大雅の動きがピタリと止まる。 「怒るなら分かるが……なぜ謝る」  不機嫌そうな彼の声音に、知らずビクリと体が震えた。 「それは……」  きっと大雅は遥人のことを、気遣ってくれただけなのだから、その行動を非難するのも筋が違うと遥人は思う。むしろ……手を煩わせてしまったことを、申し訳ないと思ったのだが、なにか間違っているのだろうか?

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