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「こうなるって分かってただろ」  アンダーシャツの裾を捲り上げ、玲が耳元へ囁いてくる。遥人は首を横へと振るが、それはあまりに弱々しかった。  なぜなら……本当に、全くこんな未来を予想していなかったなどとは言えない。  回避したいと思ってはいたが、再び彼と会った時から、こうなってしまう予感はあった。最悪の状況を常に思い描いていなければ、自分自身を保てなくなるから、無意識のうちに先回りをして考える癖がついていたのだ。  ――だけど、俺は……三年前とはもう違う。 「……わかってた。けど、いつまでも逃げてはいられないって思った。だから、俺は……玲とちゃんと話したい。玲の気持ちを知りたい」 「気持ちを知って、そのあとは? やっぱりダメでしたって言われて俺が納得すると思う? 俺は何度も気持ちを伝えてるし、遥人はそれに応えてくれた。違う?」 「それは……」 「俺が結果を決めた以上、遥人に選択肢なんかない。何度も教えたつもりなんだけどな」  過激な内容とは裏腹に、淡々と紡がれる玲の声に身が竦む。遥人が息を飲み込めば、胸の尖りを探り当てた指が強くそこを捻り上げた。   「くぅっ」 「ここ、まだ引っ込んだままなんだ。大雅は優しくしてくれた?」 「こんなこと……してない」  陥没している先端部分を指の腹で撫でられて……羞恥に頬を染めた遥人が、絞り出すように返事をすると、驚いたように瞳を開いた玲が「へえ」と囁いた。

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