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「や……あ」 「嫌は聞かないと言ったはずだ」  彼の左足を肩へと担ぎ、解したアナルへローションを馴染ませる間、遥人は何度か達したように体をヒクヒクと痙攣させたが、ペニスの根本は縛ってあるから射精までには至ってなかった。 「遥人は……昔から体の方が素直だ」  濡れた洋服は脱ぎ去ったから、玲も遥人も互いに裸だ。  猛った自身の先端を……遥人のアナルへ添えたとき、こちらを見上げる彼の表情が強ばったのは、緊張からか? それとも嫌悪によるものか――。 「アッ、あぅぅっ!」  そのまま、少しずつ腰を進めれば、苦しそうに喘いだ遥人はシーツを爪で掻きむしる。久々に見るその表情に、玲の自制は効かなくなり、そこから一気に中を穿いて本能のままに遥人を犯した。 「ぐっ……んぅ」  日曜日の夜までに、遥人を解放しなければならない。そう春日には言われているが、守るつもりは毛頭(もうとう)ない。  話がしたいと遥人は言ったが、会話することに意味があるとは思えなかった。    これでも、駅で再会できた時には、だいぶ自分を抑えていたのだ。  けれど、抑えることができたのは、遥人と二人きりになるまでの間だけで、それ以上抑えるなんて玲にはできやしなかった。  

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