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 ――これは、なんだ?  これまで抱いていた激情や独占欲とは明らかに違う。けれど、抑え込むことが困難なほどに膨れ上がった感情に……玲は戸惑いを覚えながらも、自分の心が命じるままに遥人の下肢へと手を伸ばした。 「……っ!」 「勃ってる」  そのまま、向かい合わせになった状態で互いにペニスを扱きあう。遥人は玲を拒むことなくあえかな声を漏らし始め、先走りを掬い取るように先端へ指を這わせてやれば、たまらないといったように「んぅっ」と小さく喉を鳴らした。 「手、止まってる」 「だ、だって……」  ここにきて我に返ったのか? 困ったように視線をさまよわせ遥人が玲の手首を掴む。 「されると、ダメだから……離して」 「いいよ」  耳朶を甘く噛み囁いた玲が遥人のペニスを解放すれば、ほっとしたようにその体から力が抜けたのを肌で感じた。 「あ……あ、玲、やめ……んぅ」  そのまま……耳の穴へと舌を挿しいれ、チュクチュクとそこを犯しながら、玲は悶える遥人の上へと覆い被さる体勢をとる。  そして、上半身を起こした玲は、惚けたようにこちらを見上げる遥人の体を俯せに返し、脚を大きく左右へ開くと、彼が正気を取り戻す前にその後孔へと舌を這わせた。

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