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もう片方の彼の掌が遥人の陰嚢を緩く揉む。
「素直になっていいよ」と囁く声が響いた次の瞬間……再びアナルへ入り込んできた彼の舌先に玩ばれ、遥人はたまらず腰をくねらせ艶を纏った嬌声を上げた。
「あっ、あぅっ……もちい……きもちい……アゥッ!」
クチュクチュと……後孔を犯す舌の感触に背筋を愉悦が這い上がる。
それを受け止め続けるだけで体は精一杯なのに……ペニスを掴んでいる指先が尿道口を擦ってくるから、過ぎた快楽の波に飲み込まれ、呆気なく遥人は達してしまった。
「うっ……ぐぅ……ん」
体中から力が抜け落ち崩れ落ちそうになるけれど、性器を掴んでいる掌が倒れることを許さない。
「……まだ、頑張れるよな」
「ううっ……あぁっ」
アナルから舌が抜かれてすぐに、今度はそこへと指をズプリと突き立てられ、遥人は何度も頷きながら、声も出せずに嗚咽を漏らした。
「いい子だから、泣かないで」
優しく響く玲の声。
臀部をそっと撫でる掌。
感じすぎて辛いはずなのに、心地よいと思ってしまう自分は狂っているのだろうか?
――そうなのかも……しれない。
『嫌悪って感情も、裏を返せば恋慕になるって……どこかで聞いたとがない?』
いつだったか? 過去に玲が放った言葉が頭の中へと明瞭に響く。
――そんな話、聞いたこともない、ありえないって……思ってた。けど……。
「あうっ……あっ、あっ」
「可愛い」
「かわいくなんか……アアッ!」
前立腺を強く押され、細い肢体がビクッビクッと痙攣する。あまりの愉悦に理性が霞み、そこからは……ただひたすらに翻弄され、むせび喘ぐ時間となった。
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