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「で、遥人は大学やりなおすの? それとも会社もらってみる?」
「いや、そんなこと考えたことも無かったし、今のままで十分だと思ってる」
「そっかぁ、遥人らしいと思うけど、お兄さんがそこまで言ってくれてるんだから、少し考えてみたらどうかな?」
「うん、そうだね。考えてみるよ」
唯人の部屋から出てきた遥人を迎えた真鍋は、マンションからほど近い場所にあるカフェへと彼を連れてきた。
テラス席へと腰を下ろし、目の前でアイスコーヒーを啜る遥人と会話を進めながら、真鍋は内心じれったいような感情を抱えている。
御園唯人の命に従って遥人と同じ高校へ通い、大学に入ってからは友人として側にいた。そして、彼自身は気付いていないだろうけれど、客観的に見ていた真鍋は、遥人はかなり優秀といえる人物だと分析している。
有名な進学校で常に上位の成績を保ち、国内最高学府と呼ばれる国立大にストレートで合格したという経歴は、誰が聞いても優秀という感想を抱くだろう。
外見も、唯人のような華やかさこそないけれど、平凡ながらも不細工というほどの造形じゃないのだから、もう少し自信を持てばいいのに……と、真鍋は常々思っていた。
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