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「どうかな。あの時……忍と一緒に姿を消したってことは、春日から聞いて知ってるけど、その後のことは分からない。気になるなら探らせてみようか?」 「あれから……ぜんぜん連絡が取れなくなって、心配なんだ。何かあったのかもしれない。真鍋君に聞いても、大学では見てないし分からないって言われて……元気でいるか分かればいいんだけど」 「分かった。あの二人のことだから心配ないと思うけど、春日に言って調べさせる」  チリリと胸が痛むけれども、笑みを浮かべて玲は答える。遥人の肩を抱き寄せて、こちらを見上げる彼の額へと軽く口づけを落としながら、今は事実を告げるべき時では無いと玲は考えた。 「ありがとう」  大雅の名前があがっても、嫉妬心はそれほどわいてこない。遥人の心情を鑑みれば、心配するのが当然だろう。  結論から言えば大雅は健在だ。そして、それは真鍋も知っている。きっと、真鍋も同じ考えだから遥人に告げていないのだろう。   「夕飯、どこかに食べに行こうか」  気づけば時計は既に19時を指している。少し歩けば味の良い店が数件あると玲が告げると、考える様子を見せた遥人だが……暫しの後、意を決したように真っ直ぐこちらを見上げてきた。 「玲が食べたいなら行く。でも……今は胸がいっぱいで、あんまり食べられそうにない。だから、玲の……好きにしていい」   「それって、もしかして俺を誘ってる?」 「そうだって言ったら、おかしいかな」  冗談めかして返事をしたが、間違いだったと玲は気づく。これ以上会話を続けたら、泣き出してしまうのではないかと思うほど……遥人の顔は白くなり、その瞳は潤んでいた。

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