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第9話
「おい、もう止め……っ」
私は津川の口で達した。彼はゴクリと喉を鳴らし、私が出したそれを飲み干した。
「ご馳走さま。俺の負けですね」
「津川、お前の出したものだ。自分で処理しろ」
私は汚れた靴を突き出す。津川は喜んでそれらを舐めとった。
「外村さん最高です。俺、こんなに良かったの初めてですよ」
「私は最悪の気分だ。さっさと解放しろ」
残念ですと津川は呟き、私を椅子から解放した。
「一発殴っていいか?」
「是非お願いします!」
「冗談だ」
私は自身の身繕いをしながら答えた。津川もその間に服を整え、口をすすいだ。
「外村さんて、余裕なくなると口調が素に戻りますよね。俺そっちのが好きです」
津川はにやけた口元を隠さずに続ける。
「本当にあなた相手ならネコになってもいいかも……。でも、あなたの中に俺を挿れて、思い切りよがらせたいんです」
「話はそれだけか。俺は帰るぞ」
私は津川に告げる。すると彼は車の鍵を手に取り、送りますよと言った。どんな関係だとも思ったが、私は彼の好意に甘えることにした。
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