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第5話

 数日後、俺は思い切ってユキに直接聞いてみることにした。ユキの本心が知りたかった。 「ユキは俺のことが好きか?」 「はい。もちろんですよ、和希さま」  いつものとおりニコリと笑うその顔が、だんだん俺には作り笑いに思えてきた。無性に腹が立った。 「そういう意味じゃない」  俺は強く言葉を切って、言った。 「人間として、男として、俺のことが好きか?」 「ご冗談を。私はアンドロイドです。機械の私に聞くだけ野暮でございますよ」  そう言い残すと、ユキは颯爽と部屋を後にした。  俺はといえばその場に立ち尽くし、ただユキの出て行った扉を眺めるだけだった。ユキの反応は予想以上に冷たく、辛辣なものにさえ感じた。  ちゃんと言葉で伝えれば、想いは必ず届く。恥ずかしくもそう信じていた。だが現実はどうだ。欲しかった答えは聞けず、そればかりか彼からは何も返ってはこなかった。  俺は初めてユキとの間に、とてつもなく高い壁を感じた。

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