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ようこそ。

いつもの通り僕が学校から帰ると庭にはシキがいた。 「リョウ、今日はリョウに見せたいものがあるんだ。」 「なーに?」 シキは手招きすると山へ続く抜け道へと進んでいった。 「待ってよー」 僕がそう言ってもシキは足を止めず森の奥へと消えていってしまう。慌てて追いかけるとシキは振り向いて奇妙な形をした木に手を置いた。 「ここから先に僕の住んでいるところがあるんだ。」 「えっ、森に住んでるの?」 「ううん。この木と木の間さ。」 門を作るように生えた木の間に手を伸ばすと、シキの手は透明になって消えた。また手を引っ込めると手が戻ってきた。 「えっ!?」 「ここは世界の切れ目なんだ。僕は別の世界から来た、この世界の言葉で言えば座敷わらしさ。」 「シキが…座敷わらし?」 シキは僕の手を取ると碧の隻眼で僕を見つめた。 「僕ね、リョウのこと大好きだから、僕の友達にもリョウのこと紹介したくて。僕の住んでる世界に遊びに来てくれないかな?」 突然のことで何が何やら…と思いつつも、目を輝かせて僕の目を見つめるシキの顔を見ていたら思わず頷いてしまった。 シキはまた笑みを浮かべ僕の手を引きながら 「ようこそ、ハロウィンタウンへ。」 と言った。

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