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第2話 ①

 ちか、と感じた眩しさに、快は目を覚ました。  ベランダに出る大きな窓にかけられたカーテンに、かすかに隙間ができているせいだった。  こたつで眠っているせいで、たびたびその隙間から入る光に起こされている。寝る前にしっかりとカーテンを閉めているはずなのに、起きるときにはなぜか少しだけ開いているから不思議だ。  快は携帯を見た。  もうすぐで午前十時になる。 (あー……そろそろ起きねえとな)  寝転がったままでぐっと伸びをしながら、ふとベッドのほうを見た。  そこでは悠利がこちらに背を向けて眠っている。  お前ら一緒の部屋でいいだろ、と。  あまりにも適当な亮次の言葉に押し切られて、一週間が経った。  この部屋に自分以外の誰かがいるのはどうも慣れないが、不思議と居心地が悪い感じはしない。 (……それに、わかる気がするんだよな。亮次さんが一緒に住めっていった理由)  人がいるところでは眠れないと言っていた悠利だが、一人でいてもまともに寝ていないらしい。どうやら彼の抱えている事情のせいなようだが、いまだに快は詳しく知らない。  一緒に暮らしたら余計に眠れないのではと思ったが、意外にも彼はちゃんと眠れているようだった。  それに、問題はもう一つある。  何も言わずにいると、悠利は平気でご飯を食べずに過ごしている。  よく一人で生活していたなと思ってしまうほどの生活力のなさだ。呆れるよりも、むしろ感心してしまう。 (メシ、作っとくか)  悠利についてわかったことは、快が作って用意した料理を断ることはしないということだ。おかげで冷蔵庫の中は今までになく食材で溢れている。  起こさないように、快はそっとこたつから抜け出した。

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