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修学旅行(2-2)
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ある日の体育の時間。
バレーの試合中にコート内に入って来たボールに吉岡は足を取られ、そのまま滑って足をひねってしまった。
もちろん吉岡は授業を途中で抜け出して保健室行き。
俺は授業が終わった後、体育館に吉岡が忘れて行ったタオルをたまたま俺が見つけたから。保健室にタオルを届けるついでに様子を見ることにした。
失礼します、と形だけの挨拶をして部屋に入ると、保健室は誰もいないらしく、しんと静まり返っていた。
どこに寝ているのか考えることもなく、すぐにカーテンで仕切られたベッドが目に入る。
閉められているのはここだけだから、吉岡がここに寝ているのはすぐに分かった。
「吉……」
“大丈夫か?”とそう言いたくて、名前を呼びながらカーテンを開けたのだけれど。
呼び終わる前に、口を閉じてしまった。
寝ている吉岡に見とれて、言葉が出なかったから。
暑さのせいか、もともと白い肌なのに。頬がほんのり赤くなっていて。キレイな首筋には汗が光っている。
思わず、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「んっ」と小さく吐息のような声を漏らし、吉岡が俺のいる方へ寝返りを打った。
その時、自分でもどうしたのか分からないのだれど。
見ればすぐ近くに吉岡の顔があって。
何となく残っている、唇の温もり。
しばらくしてから自分が吉岡にキスをしてしまったことに気付いた。
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