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そんなきみが好き(2)

「皇也?」 「うん、ただいま」 真尋の頬を撫で、それから可愛い唇にキスを落とす。 「ねぇ、寂しかったの?」 もう一度キスをすると、真尋は俺から目を逸らしてしまった。そして、「誰がそんなこと思うかよ」と可愛くないいつも通りの返事。 ……おいおい、それはないだろ? ねぇ、真尋。自分の格好分かって言ってるの? 「その割には俺のシャツ着て、枕ガッチリ抱きしめてますけど」 「う、うるせぇ! 寒かったんだよ!」 「ふはっ、」 バレバレの嘘をつく真尋が可愛い。嘘つくの下手すぎだろ。 寒いって言ってんのに枕だけ抱きしめて布団着てないのは明らかにおかしい。しかも俺のシャツはTシャツだぞ? 「素直に寂しかったって言えばいいのに」 「だからちげーってば!」 本当素直じゃないんだから。そんな顔で違うって言われても説得力ないし。 それにほら、俺の枕少し濡れてるじゃん。寂しくて泣いたからじゃないの? 「はいはいそうですか」 照れ隠しで素直になれずに怒る真尋に、俺は素っ気なく返事を返した。 いつもなら無理にでも抱きしめるけど今日はしない。してあげない。 たまにはお前も素直になってみればいいんだ。 俺はベッドから立ち上がりドアノブに手をかけた。 「じゃ、先に寝てろよ。俺は今から風呂に入って、ちょっとテレビ見て寝るから。おやすみ」 え? 行くの? って目で俺を見る真尋。ほーらね、やっぱり寂しかったんだろ? だけど、甘やかしてあげない。分かってもね。 俺は、内心にやっとしたけど顔には出さずに静かにドアを閉めた。

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