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そんなきみが好き(3)
ふぅっとため息をついてソファーに座り、テレビをつけた。
しばらくテレビ見て、それから風呂にでも入るか。
そう思ってネクタイを緩めた時、さっき閉めたばかりの寝室のドアが開いた。
視線をそちらにやれば、ドアからちょっとだけ顔を出す真尋が見える。
自分でも意地悪だと思ったけれど、今回は仕方がない。素直にならなかったお前が悪いんだそ、真尋。
俺は真尋から視線をテレビに戻すと、「何?」と一言だけ素っ気なく言った。
「おわっ、お前なぁ!」
返事がないと思って振り返れば、すこい勢いで真尋が走って来て俺に飛び付く。よしよしと頭を撫でると、さらに抱きつく力が強くなった。
もう十分。
素直になれない真尋にしては、よくやったよ。
ちゅっとおでこにキスをして抱きしめ返すと、
真尋は「皇也……」って、小さく俺の名前を呼んだ。
「ん? なに?」
「本当は、寂しかったんだ、」
「うん、分かってる。意地悪してごめんな?」
「うぅ……」
あらあら泣き出しちゃったよこの子。ちょっと頑張らせすぎたかな…?
それに俺が帰って来る前は寝てたわけだし。眠気もプラスされたんだろう。
俺は泣いている真尋を抱きかかえて、ベッドに連れて行った。
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