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そんなきみが好き(4)

「真尋、泣かないで? 俺も会えなくて寂しかった。明日は土曜日だから二人でゆっくりしような?」 「ひぅ……」 「もう眠いんだろ? 寝るまでここにいるから。な?」 泣き止まない真尋の頬にキスをして、ベッドに降ろす。……けれど、俺の首に巻き付けた腕を離してくれない。 「真尋?」 「皇也が、いなくて、寂しかった……っ。電話で声、聞いたら、余計に寂しく、なって。いつもなら、お前が、ぎゅって、してくれるのに、それもしてもらえ、ないから、……、っく……、だから、お前の、シャツを、着てみたんだ……。皇也の匂いがして、少しは寂しく、なくなった、けど、やっぱり皇也じゃないと、ダメで……。だから枕も借りてっ、ふぅ、うぁ……」 なに……? 今、目の前にいるのこの素直で可愛い子は真尋だよな? 一気にデレ期到来してんの? やばいやばい。可愛いすぎだろ、かなり反則じゃん。 ……下半身にきた。 「真尋」 「皇……んぁっ」 涙を舌で掬い、その後に口を塞ぐ。久しぶりのキスは涙の味がした。 「俺、風呂入ってないけどいい?」 「え……?」 「お前のこと抱きたい。もう無理、限界。そんな可愛いこと言われたら我慢できない」 じっと見つめると今度は顔が真っ赤に染まる。 泣いたり、顔赤くしたり。忙しいな? 今日のお前は。 「じゃあ、あ、明日っ、どっか、連れてけよ……!」 「お安いご用で」 顔をさらに赤くして、ちゅっと自らキスをくれた真尋を押し倒す。 それから久しぶりのお互いの体温を何度も確かめ合った。 END

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