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罰ゲーム(4)
*
朝起きると、本当にもう最悪だった。
泣きすぎたせいで目がかなり腫れていて、ひりひりと痛い。
こんな顔、先輩に見せられない。
その日、僕は学校を休んだ。
ずーっとベッドに寝たまま、窓から空を眺める。
お母さんがお昼ご飯を持って来てくれたけれど、食欲がないから。リンゴを少しだけ食べた。
そろそろ学校もお昼休みの時間だなぁと、ぼんやりそんなことを思いながら、俯せになって寝ころんだ時、携帯のバイブ音がした。
短い時間だけ鳴っていたから、きっとメールだ。
【熱出たの? 大丈夫か?】
名前を見て、それからメールの内容を見て。
止まっていた涙が、また頬を伝った。
痛い。触れるとひりひりする目蓋も、僕の心も。何もかもが痛い。
僕は返事をせずに、ぼーっと画面を見つめていた。
次の日も、次の日も、僕は学校を休んだ。
そんな僕を心配して、今日も先輩はメールをくれる。
今までほとんどしてくれなかったのに。
病気になったからしてくれるの? それとも今日でお終いだから?
だったらもういっそ、ずっとこのままでいいかもしれない。
先輩との関係が終わるまであと数時間。
だけどこれからもずっと休み続ければ、何だかんだで優しい先輩は弱ってる僕に同情して別れ話はしないはず。
「はは、僕は卑怯だ……」
こんなことで先輩の気を引いて、繋ぎ止めようって思うなんて。
でも、でもね。
こんなにも。
「先輩が、好きなの」
起き上がる気力もなく、ただただ天井を眺めるだけの僕の目から、今日もう何度目か分からない涙が溢れだした。
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