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罰ゲーム(7)

━━━━━━━━━……… 「わざわざお見舞いありがとうね。悠ったらずっと寝込んじゃってて。一人で部屋に閉じこもってるから心配してたの。会いに来てくれる人がいて良かった」 出迎えてくれた悠のお母さんは、柔らかい笑顔で微笑んだ。 悠はお母さん似なのだろうか。笑った時の雰囲気が同じだなぁと、何となくそんなことを考えた。 「じゃあ、ゆっくりして言ってね」 悠のお母さんにそう言われ、部屋の前まで案内される。 「ありがとうございます」 俺は軽く頭を下げてから、部屋のドアを開けた。 ガチャッとドアが開く音に反応して、寝ていた悠が起き上がりこっちを見る。 良かった、起きてた。そう思って微笑みかけようとした時、俺を見た悠は叫ぶようにして泣きだした。 「う……、あぁっ、あああ……!」 「悠……?」 「こ、ないで、やだ……! 嫌だっ!」 布団をぎゅっと掴んで、ぼろぼろと涙を流す悠。 ねぇ、どうして? どうしてそんなふうに俺を見るの? 「悠……、どうしたんだよ」 一歩近づくと、びくりと肩が震えた。 「何、で、来た、の?」 声も、震えているのが分かる。 「悠……」 抱きしめるのはちゃんと恋人になってから。そう思って我慢してたけれど。 悠があまりにも辛そうに泣くから、俺はベッドまで走ると、その小さな体をぎゅーっと抱きしめた。

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