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ストーカー(1-3)

「片宮、お前隠れてるつもりかもしれねーけど、俺のストーカーしてんのバレてんぞ」 座り込んで身を縮めている片宮の頭上から、そう声をかける。 「ちが……、僕は、そんなことしてないっ」 うるうるとした目で俺を見上げた、片宮は小さな可愛い声を発した。 見た目だけじゃなくて、近くで聞くと声まで可愛いな。 ……じゃなくて。 「完全にストーカーしてるだろうが。今だってそうだけど、この前店で転けたお前を見て確信したんだから」 座り込んでいる片宮の腕を引っ張り、無理やり立たせる。 「違うよ……! あれは偶然いただけだしっ……! 僕はけしてストーカーなんて、し、してないもん! 橘くんが週二回アイスクリーム屋に寄って帰ることとか、色は青が好きで持ってるシャーペンは全部青だとか、見た目怖そうだけど実は優しくて困ってるお婆さんとかいたら助けずにはいられない人だなんてのも僕は知らないよ!」 「十分知ってんな……お前」 「あ! あ、の、違うよ、これは、ただ、ふぇ……っ」 ぶわっと、片宮の目に涙がたまり、一気に溢れ出した。 ぼろぼろと、頬を伝って、コンクリートに染みを作る。 そんなに怒って言ったわけでもないから、片宮のこの反応にはすごく困る。 今は誰もいないからいいけど、誰かが通ったら見た目的にも完全に俺が悪者扱いになるだろう。 仕方ない。家に連れて行こう。 俺は泣きじゃくる片宮を抱き上げた。 ……おい、片宮お前さ、軽すぎるだろ。

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