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ストーカー(2-1)
「橘、お呼びだぞ」
「あ?」
放課後、今日はアイスクリーム屋に寄る日だなぁなんて考えながら帰る用意をしていると、隣の席の相川に呼ばれた。
お呼びって何だ? 俺何かしたっけ?
「いやいや、俺は見た目こんなんだけど先輩に目をつけられるようなことはしてないし。相手の勘違いじゃね? てことで俺は帰る」
体育館裏に呼び出しとか、そういうことはもうごめんだ。
俺のためじゃあなくて、相手のためにやらない方がいい。
一度だけ、売られた喧嘩を買ったことがあるけど、思ったよりも自分が強くて。
かなり大事になってしまったことがある。
もしまた何かあったりなんてしたら、俺のことを好きだと言ってる片宮も俺のことを怖いと思うはず。
きっと、俺のことを嫌いになる。
あぁ、それは困るな。
片宮にはずっと好きでいてもらわないと。
「はぁ? ずっとって何だよ。俺、頭おかしい」
自分の思考に驚いた。
……片宮片宮って、頭の中が片宮だらけじゃん。
「橘、お前がおかしいのは分かった。何を勘違いしてんのかは分からねぇが、先輩からのリンチとかじゃねぇよ? 隣のクラスの美人さんが用あんだってさ。体育館裏っで待ってますだってよ。だから行って来い」
「あ?」
「あ? じゃねぇから。お前これ絶対告白だって。ラッキーじゃん、あんな美人から好かれるとか」
目をキラキラさせてそんなことを言う相川。
美人? 告白?
勝手に言ってろよ。
俺は美人さんとかどうでもいい。
「相川、行かなきゃだめ? 正直だりーわ」
「ばっか、お前! 勿体ねーって。つか、普通に話くらい聞いてやれよ」
「はぁ」
だったらお前が代わりに行けよ、って思ったけど相川の顔が怖すぎて。
俺は仕方なく体育館裏に行った。
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