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想い、想われ(3)

俺は酒を飲み過ぎると、その後の記憶がいつもない。 恭介はいつもベッドまで運ぶのが大変だとか言うのだけれど、そんなことはどうでもいいんだ。 迷惑をかけても、気にしない。だってさ、朝起きたら恭介が毎回隣に寝てるんだもん。 それがすごく嬉しいんだ。 寝てるだけで、何かしてるわけじゃあないけれど、それでも隣で目覚められることが幸せ。 それに、恭介は朝が弱くてなかなか起きないから甘えたい放題。 擦り寄ってみたり抱きついてみたりしても全然起きないし。 「酔っ払ったお前をベッドに運ばなきゃなんねぇ俺の苦労を分かれってんだ」 「良かったな、俺細身だからそんな重くないでしょ」 「身長は変わらねぇだろーが」 「つまようじ分くらいは俺が小さいし」 「……ったく、調子いい奴」 ため息をつきながらも笑って付き合ってくれる恭介。 こんなふうに言ってるけど感謝してるんだよ、本当に。 今は彼女いないらしいけど、恭介ならきっとすぐにできるはず。 彼女ができたら、もうこんな役目は頼まない。 だからさ。 それまではこうやって、恭介に甘えさせて欲しいな。 それ以上の迷惑は、かけないようにするから。

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