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ストーカー続編(6)
「ふ、……は、」
ボロボロと涙が零れ落ちる。
あっという間に制服にいくつもの染みを作った。
片宮……? 急にどうしたんだよ。
「片宮、」
「……ふぅ、」
「なんで泣いてんだよ」
拭っても拭っても、次から次へと涙があふれる。さっきまで笑ってたじゃん。
泣いてる片宮を見ると、告白する前に泣いていたのを思い出して、俺の胸まで苦しくなってきた。
俺が、また泣かせた?
「泣くなよ、な?」
背中を優しく叩き、呼吸を落ち着かせようとするも、嗚咽が強くなるばかり。
「片宮っ、」
俺は、その小さな体を、強く強く抱きしめた。
片宮が、胸元を弱々しく掴む。
その時、ふと、ある考えが頭を過ぎった。
片宮が休み時間に寝るようになったのってさ、俺が夜にメールしなくなったあたりからじゃ……?
もしかして、俺からのメールが来るまで、ずっと起きて待ってたってこと?
「ねぇ、」
「ふぅ、ぁ、」
「俺からのメール、ずっと、待ってた…?」
「ぅ、……ぁ、」
「ずっと、起きて待ってた?」
俺の制服を握る片宮の力が、少しだけ強くなった。
あぁ、やっぱりそうだ。
俺は、ばかなことをしてしまった。
そうだよ。ストーカーしてるからとか、ストーカーするくらいにとか、そんなことは理由にならないんだ。
片宮は、いつだって遠慮するんだから。
俺にメールすることが、迷惑になると思った? だから遠慮して、俺からのメールに返信だけしてた?
ねぇ、片宮。
そんなの迷惑でもなんでもねぇよ?
俺は、そんなことで嫌いになったりなんかしない。
あぁもう。じゃあ俺からメールなくて、ずっと不安だったよな?
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